嶋田恭子(しまだきょうこ)
福岡生まれ、岡山育ち。
今も高齢の両親と共に岡山の小高い丘の上に暮らしています。
以下、少し長いですが、”自由な絵を描いて自由になる”にたどり着くまでの道のりを書いてみました。最後までお読みになってお申し込みいただけますと幸いです。
私は、両親ともに教師という、今思えば、普通よりやや厳しめの家庭に私と弟と二人、育ちました。
父は慎重派で自分の意思を貫く人。
母は何をするにも素早く、楽天的でぱっかーんと明るい人。
そんな両親は、
大人しく目立たず、何をするにもゆっくりだった私が心配だったのでしょう、いつも側から何かしらの注意や助言がありました。
なので
私は物心ついた時から、
注意されないように、
怒られないように、
完璧でないと、と、
いつも誰かの目を意識し、
その意に沿うようにと行動していました。
そんな私が、好きだったことは
絵を描いたり
ピアノを弾いたり
歌を歌ったり
運動したりといった
感性や感覚を使うこと。
小学校では
絵を描くと、必ず張り出されたり、賞やメダルをもらっていたので、絵を描くことは、ずっと得意だったのだなぁ、
と振り返ります。
おっとりした見た目からは想像できないかもしれませんが、
小学6年生でクラスで2人だけの
運動検定1級のバッチをもらったこともあるんですよ。
就職して1、2年は、社会人バスケにも入っていましたし、
体を動かすことも好きです。
そんな私は、高校卒業時に美大に進学することを希望したのですが
「絵では食べていけない」と将来を危惧した両親から反対され、
手に職をつけるために医療の道へ進み、臨床検査技師になり、病院に勤めて始めて、気づいたら、あっという間に30年がたちました。
その間、やっぱり絵のことは頭から離れず、病院に勤務して一年目から、毎週土曜日は仕事が終わると「待ってました!」とばかりに絵画教室に通っていました。その教室で岡本希根先生[安井賞入選作家]に出会い、それ以来、私の絵の師匠であります。
そして、もっと描きたくなって、それからの約20年間は、土日や当直明けの休日など、休みという休みの日には師匠の元に通い、絵を学び、描き続けました。
今でこそ、“自由な抽象画”を描いている私の絵画人生の始まりは、実は”写実的に描くこと”からスタートしたんです。
でも、2、3年経つと、教室の中で、抽象画を描いている方々が、私には不思議と自信を持ってイキイキされているように見え、興味を持ち始め、師匠に「抽象画を教えてください」とお願いして、自由に描くスタイルへとシフトしていきました。
目の前のモチーフをそのまま描くのではなく、好きなように線や色で表現してもいい新しい世界。その大きな開放感や、「私にこんな絵が描けるんだ!」と、絵を描き上げる度にワクワク自信がついていく感覚。
その自由な絵の世界と魅力にハマり、それはそれは夢中になって描きました。
そのうち、自分の背の高さほどもある大きなキャンバスに油絵でも描くようになり、難しいコンクールの公募展にも挑戦して、入選することも増えていきました。
一番の記憶は、新人作家の登竜門の一つだった「上野の森美術館大賞展」に、入選したこと。(計4回入選)
他にも、多数、難しい、と言われるコンクールに参加し、泣いたり笑ったりを繰り返し、入選する度に、母と東京見物もかねて美術館やギャラリー巡りに2人で遊びに行ったものです。
コンクールによっては入選した絵画が地方巡回展に含まれることもあり、神戸、京都、福岡などへも、よく母と見に行きました。なんと気難しい父も、一人で京都の美術館まで私の絵を見に行ってくれたこともありました。
「自分がどんな絵を描くようになるのか、自分で自分が楽しみなんよ」
と、よく周りの人に言っていましたし、それは今でも変わりません。
何をするにも人の目を気にしていた私が
絵だけは、自分の可能性をどこかで信じていて、
窮屈に感じていた自分を開放させる大きなツールの一つだったなぁ、と思います。
また、自由に描く絵には人を成長させる不思議な力があると
潜在的に感じていたように思います。
そんな絵の魅力と可能性をたくさん方に感じていただきたくなり、勇気を出して「自由に描いて自由になる絵画教室」を開講して今年で5年目に入りました。
嬉しいことに生徒さんは少しずつですが増え続けています。
「先生のおかげさまで、手応えを感じております。来年もよろしくお願いします」
「先生の絵に感動して、自由な絵にあこがれ、お教室に入れていただき、本当によかったと、しみじみ思っています。なかなか自由になれない私ですが、以前よりは自由になれていると実感しています。引き続きよろしくお願い申し上げます」
など、のお声をいただいています。
私は両親を見てきて、教師には絶対になることはない!と思っていましたが
奇しくも、絵を教える立場になろううとは。
人生って面白いですね。
自由に描く、ということは
真っ白な画面に
どう描くかを自分で決めることができます。
どの色を使うか
どんな線を
どこまで描くかも
全部自分で決めることができる。
日常も、同じだなぁ、と感じます。
例えば、コーヒーを飲むか、それともお茶を飲むか
どんな小さなことも
自分で決めながら生きる
自分が何を感じているのか耳をすませて
どうしたいのかを実行する。
自分を表現することは
本当の自分を生きること
そうすると
生きたい理想の人生になるんだ、と
つくづく感じています。
そんな理由で、教室の名前を
「”自由に描いて自由になる”絵画教室」と、
命名しました。
私がこの30年間師事する岡本希根先生が教えてくださる、自由に描く抽象画。その師匠の、オシャレでバランスのとれた抽象画の描き方を、私の世代で留めるのは本当にもったいないことだと感じています。
ぜひ、次の世代に伝えていきたい!
私のように
◉写実画しか描けなかったのに、自由な抽象画を描けるようになった!
◉心も、自分の表現の仕方も、
自由にできなかったのが、心から自由になった!
こんな経験を、ご縁のある方と分かち合いたい!
こんな想いから、絵画教室を主宰し始めた次第です。
今回は、そのオンラインバージョン。
実際に定期的に開催するのは、今回が初めてですので、いろいろと不手際もあるかもしれませんが、オンラインだからこそ出会える方と”自由に描いて自由になる世界”をご一緒できればと思います。
長文、読んでいただきありがとうございました。
レッスンでお目にかかれますことを心から楽しみにしております。
“自由に描いて自由になる”
絵画教室主宰
嶋田恭子